それから

夏目漱石 新潮文庫
主人公代助の神経質な様子が上手に描写されていると感じた。代助はいまどきのニートと同じだ。父親と兄のお金を頼って生きている。父親のすすめる資産家の娘をもらうかどうか、という事態に至って、学生時代の親友平岡との仲を自らとりもって三千代を愛していることに気づく。父の勧める縁談を断り、三千代を譲り受ける約束をしたことが父にばれるが、これによってやって父親からの自立を果たし、ニートからの脱却を予感させるところで話が終わる。明治の昔にもニートは居たんだ、と思わせる。